「命をいただき、未来へつなぐ。」

捕獲された命を、ただ処分するのではなく、
食べることで命をいただく。

「いただきます」という言葉には、

「あなたの命を、私の命にかえさせていただきます。」

そんな感謝と、命への敬意が込められています。

普段、何気なく口にしている「いただきます」。

その言葉の意味や、その背景にある命を知り、
命の大切さを子どもたちにも、おとなにも伝えていく。

大吉村は、命を無駄にしないための選択を、
これからも考え続けます。

佐藤隆広

  • 命を終わらせる側として
    猪は「有害だから」という理由で捕獲され、
    食べられることもなく、処分されてしまう現実があります。

    僕は、命を終わらせる側に立つ以上、

    その命に責任を持ちたいと思っています。

    捕まえたなら、きちんと処理して、できる限り無駄にせず、食べて、いただく。

    「捕まえたら、食べてあげる。」

    それは、命を軽く扱わないための、僕なりの約束です。

  • 捕獲の瞬間

    罠にかかった猪は、命がけで向かってくる。
    ワイヤーをちぎり、自分の足を犠牲にしてでも突進してくることがある。
    だから捕獲に向かう時、毎回覚悟を決める。
    ナイフでとどめを刺す瞬間、目が合うこともある。
    肉の味は一瞬の血抜きで全てが決まる。
    この仕事は、
    中途半端な気持ちではできない。

  • 命をいただくために

    捕獲後は、素早く内臓を出して、匂いが付くのを抑える。
    内臓の状態を見ながら、健康な猪かどうかを判断し、皮を剥ぎ、解体を進めていく。
    野生の猪は、季節や年齢によって、脂の付き方も、肉質も変わる。
    同じは一頭としていない。
    そこが、
    ジビエの一番の魅力であり、楽しみの一つだ。

  • 自然の中で、生きてきた猪

    山を歩き、走り、季節ごとに違うものを食べながら、
    自分の力で生きてきた猪。

    家畜のように管理された環境ではなく、
    山の中を自由に動き回り、
    暑さも寒さも、雨も風も感じながら生きてきました。

    だからこそ、
    猪が食べてきたものや過ごしてきた環境によって、
    肉の味わいや脂の付き方にも違いがあります。

    山で生きてきた時間が、
    そのまま肉の個性にもつながっている。

    次は、そんな猪肉ならではの
    魅力について紹介します。

  • イノシシ肉/豚肉の比較
    (豚肉を1とした場合)


    猪(イノシシ)肉は、
    豚肉と比べてカロリーや脂質が
    大きく違うわけではありません。

    一方で、鉄分は約4倍、
    ビタミンB12は約3倍。

    たんぱく質も豊富で、
    毎日の食事に取り入れたい栄養が
    しっかり含まれています。

    そして猪肉の魅力は、
    栄養だけではありません。

    噛むほどに感じる赤身の旨みと、
    あっさりとした脂の味わい。

    美味しさも、栄養も。
    猪肉には、知れば知るほど
    面白い魅力があります。

  • いただく、その先に…
    ここまで読み猪肉に興味を持ってくれたこと、
    本当にありがとうございます。

    命の話は、
    軽く読めるものじゃないし、
    考えるのも簡単じゃない。

    それでも、
    「どんな肉を食べるか」だけじゃなく、
    「どんな命をいただくか」まで
    考えてくれたことが、
    何よりうれしいです。

    この肉には、
    山で生きた時間と、
    一頭の猪の一生と、
    その命に向き合ってきた人の想いが
    詰まっています。

    あなたの食卓に少しでも、
    その背景ごと届いたなら、
    それが一番の喜びです。

    佐藤 隆広